パニック発作が起きると「次はいつなるだろう」「また発作が起きたらどうしよう」といった「予期不安」が付きまとうケースが多くあります。
そこで今回は発作が起きる前にできる対処方法をご紹介します。
目次
予期不安や広場恐怖症によって行動範囲が狭くなる
パニック発作は繰り返し起こることがあり(パニック障害)、次にいつ発作が起きるかと不安になることを予期不安といいます。
その不安を避けるため外出をやめたり、発作を予感させる場所を避けたりと、行動をどんどん制限していってしまうのです。
ですが、パニック障害の治療法の1つとして「行動認知療法(暴露療法)」があります。これは、発作が起きそうな場所や状況に身を置いて慣れさせていく治療法です。
すなわち行動範囲が狭くなるということは適切な治療が出来にくくなるということになります。
パニック発作が起きる前にできる予防法
仕事や通学などで外出しなければならない、治療のために苦手な場所や状況に挑戦したい、そのような時に自分でもできる対処法があります。
人によっては全く効果がない、逆効果だったということもあるため、1つの参考にしてみてください。
乗り物や室内の出口付近にいる
パニック障害になると、電車やバスなど乗り物に乗ることを不安に感じるケースは少なくありません。
そのような場合、できるだけ出口付近や扉の近くにいることで「なにかあればすぐに外へ出られる」安心感が得られます。
授業やセミナーなど室内にいる場合は、一番後ろの席が良いこともあります。「発作が起きても目立たない」「視線を感じないから余計な不安がない」などの理由から、必ずしも扉付近でなくても発作が起きにくいケースもあるのです。
意識して深く呼吸する
パニック発作が出ると息苦しさや胸の締め付け、喉の詰まりなどを感じます。それにより「死んでしまうかもしれない」「倒れるかもしれない」という不安感に繋がるのです。
呼吸を整えることで発作は徐々に落ち着いてくることもあるため、ゆっくり深呼吸してみましょう。
また好きな香水やアロマをつけたハンカチを持ち歩くのもおすすめです。
外出時には飲み物を持ち歩く
発作が起きるかもとソワソワしたときに、水を飲むと落ち着くこともあります。水が苦手な場合はお茶やジュースでもOK。
ですが、パニック発作はカフェインの過剰摂取によって引き起こされるともいわれているため、できるだけノンカフェインやカフェインレスの飲み物を選びましょう。
暑さでソワソワ感が出やすい人も多いため、保冷剤などを持ち歩くのもおすすめです。
また飴をなめたりガムを嚙んだりすることで、パニック発作が起きるかもという不安から意識を逸らせる効果もあります。
あらかじめパニック発作が出ることを伝える
歯医者や美容室など、リクライニングチェアが苦手な人も多くいます。
その場合は遠慮せず、発作が出るかもしれないと伝えてみましょう。伝えるだけでも「何かあれば対応してくれる」という安心感が生まれます。
集中できる何かを見つける
「パニック発作が出るかも」「倒れたらどうしよう」などパニック発作のことばかり考えると、どうしても落ち着かなくなりますよね。
その場合は何か別のことに没頭してみましょう。
- 音楽を聴く
- YouTubeを見る
- ゲームをする
できない状況の場合は54321法がおすすめです。
- 目に見えるものを5つ、探しましょう。
机やテレビなど、声に出すとより効果的です。
- 肌に感じるものを4つ、探しましょう。
風や冷房、靴下に触れる足裏の感覚や手に触れるスマホの感覚など。
- 耳に聞こえるものを3つ、探しましょう。
時計の秒針の音や機械の音など、自分の声でもOKです。
- においや味を2つ、探しましょう。
風のにおいやアロマのにおい、自分の服のにおい、コーヒーの味など。
- 最後に自分の好きなところを1つ、探しましょう。
優しいや今日も頑張ってるなど、あまり深く考えすぎずに人から言われたことなどを思い出してみてくださいね。
成功体験を重ねることが大切
「今日は発作が起きなかった」「ソワソワしたけど発作には繋がらなかった」など成功体験を少しずつ積み重ねることで、パニック発作が少しずつ落ち着いていきます。
同じことをしたのに発作が起きる場合もありますが、それでも根気よく続けていきましょう。
パニック障害は必ずよくなりますよ。